「もしかしたらあの子は発達障害かもしれない...」
「発達障害はどうやって見分けたらいい?」
保育士として働いていると、発達障害と向き合わなければならない機会が多くあります。
しかし、難しい領域であり、センシティブなテーマなため、苦手意識を持っている方も少なくありません。
今回は、そんな発達障害の見分け方をご紹介していきます。
この記事を読めば、発達障害についての理解が深まり、見分けもできるようになりますよ!
現代では発達障害は珍しくなくなってきている
発達障害やグレーゾーンという言葉を聞くことが多くなったと思う保育士の方もいるのではないでしょうか。
近年、発達障害児をはじめとした障害児は増えつつあります。
具体的には、2019年に10,749件の発達障害児の報告がされています。この数字は10年前の2009年と比べると4割近い増加率です。※1
※1 厚生労働省
保育所が増えているという背景から、診断を受けてみようと思う方が増えてきたという事情もあるかもしれないですね。
つまり、なんとなく多くなってきたと感じているのは、こういった報告書をみる限りでは多くなっているは間違いでなく事実だということ。
一方で、園児くらいの年齢だと発達障害かどうかの判断が難しいといった背景もあります。
ここが保育士の頭を悩ませている点でもありますね。実際に発達障害かどうか疑わしい場合には、グレーゾーンという言葉が使われることも多く、確定はしないケースがほとんどです。
しかし、多くの園児と接している保育士には、違和感から実感へとつながる場も多く、ケース事例を理解して、日々の保育で子どもたちに向かい合う事が求められています。
では、保育士はどのように見分けたらいいのでしょうか。
発達障害は大きく3つに分類される
発達障害を見分けるには、基本的なことを知っておく必要があります。
発達障害は、大きく以下の3つに分けることができます。
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
- 学習障害(LD)
それぞれ、できること・できないことに差がありますが、はっきりと断定をすることは素人には難しいです。
特に成長途中である段階では、単に成長が遅いだけという可能性も捨てきれません。
まずは、これら3つの障害にはどのような特徴があるのかご紹介していきます。
発達障害の子はどうやって見抜く?
発達障害かどうかを見分けるには、それぞれの症状の特徴に目を向ける必要があります。
どこが足かせとなっているのか、保育士は見分ける必要があるのです。
では、それぞれの特徴を見ていきましょう。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
自閉症スペクトラム障害は自閉症やアスペルガー症候群などの障害が含まれています。
主な特徴は以下の通り。
- 社会的コミュニケーションや対人関係の欠如
- 狭い範囲の行動、興味、反復行動
ほかにもあり、感覚に関する過敏性なども伴います。園児が同じ行動に執着していたり、上手くコミュニケーションが取れなかったりする場合は、自閉症スペクトラム障害の可能性が高いと言えるでしょう。
たとえば、積み木を組み立てては崩す、ずっと同じ絵本だけを見るといったケース。また、人に話しかけられると、奇声を発するなどのケースが挙げられます。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
ADHDは、注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害とも呼ばれ、一度は耳にしたことがあると思います。
自制をすることが難しく、衝動的に行動してしまうのが特徴です。
また、ひとつのことに集中することが苦手で、なにか作業をしていても別のことへと注意が移ってしまいます。
たとえば、制作の時間に1人だけ立ち歩いて違う遊びをしてしまったり、興味のあるものを見つけると保育士の言葉に聞く耳を持たなかったりすることが挙げられます。
周りの子と同じように行動ができないといった行動が常態的に見られたらADHDを疑う必要があると言えるでしょう。
学習障害(LD)
学習障害は、大きな知的発達には遅れがないものの、聞く能力や話す能力、読む能力などに困難が生じる発達障害です。
意識しないと気づくことが困難で、今回ご紹介している中でも見分けが難しいと言えます。
目安として、学習到達度に遅れに1~2学年相当あることが多く、はっきりと分かるのは小学生くらいの年齢になってから。
保育園の園児では疑いの程度が薄いことがほとんどです。
まとめ:発達障害の兆候を感じたら周りの意見も仰いでみよう!
発達障害の見分けは、素人にはほぼ不可能。やはり専門的な知識を持った医師による診断が必要となってきます。
となると、保育士にできることは自分の指導不足だと悩みを抱え込まずに、きちんと主任や園長先生に報告・相談をして園全体での方針を確かめながら対応する事です。グレーゾーンという診断基準は満たさないものの、発達障害の可能性が高いという位置づけも存在します。
そんな子たちを上手くカバーできなくても、落ち込む必要はありません。1人ではなく、同僚や園長先生など、チームで情報を共有し、支えあえるような強力体制を取れるように、まずは相談してみましょう。
最後に発達障害の3つの分類をおさらいしておきます。
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
- 学習障害(LD)
発達障害の可能性がある子への対応はこちらの記事で解説しています。
発達障害の知識を増やし、上手くサポートしてあげられるようにしましょう。
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